マーケティング・リサーチ あるいは傾向と対策

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「美蘭……」 「け、研ちゃん……わた、私……」 「ん?」 「こんな、気持ちよくイカされたの……初めて……」 「……そうなんだ?」 「どうしよう……癖になっちゃう……」  研ちゃんはぶはっと吹き出して、私を抱きしめた。 「癖になったらいい。これからも一緒に気持ちよくなったらいいから」  そう言って、研ちゃんは私の背中をなでる。優しくて温かくて安心する。  私はそのまま眠ってしまった。  目を覚ますと、優しい笑顔の研ちゃんに見つめられていた。 「おはよう」 「……おはよう、研ちゃん」  ぎゅっと抱きしめられて、なんだかものすごく照れる。 「美蘭」 「何?」  研ちゃんが真剣なまなざしを私に向けるから、どきどきしてしまう。 「好きだ」 「え」  不意打ち。思わず目を見開いてしまった。 「び、びっくりした……」 「きちんと気持ちを言うの、酒が入ってる時も、してる最中も、流されてるみたいで嫌だったから」  私がいいとは言われたけど、好きとは言われてないなと、確かに少し気になってはいた。 「古風な男だ」 「好きだろう、そういうの」 「うん。研ちゃんのマーケティング・リサーチは完璧だ」  私がそう言うと、研ちゃんはゲラゲラ笑って、もう一度私を抱きしめてキスした。
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