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第2話「八丁堀が明かす真実と恨みはらしではない仕置き」
勇三「それにしても、主水さんはいつ帰ってきたんです?」
主水「いつって言われるとついさっきって所だろうな?まあ、こんなボロボロで悪いんだけどよ。」
賭場錠から出てきた大黒屋を三味線の三の糸を使って仕留めた仕立て屋であり、二重使いの勇三は仕置きの後片付けをしていた所、背後に現れたボロボロの格好をしながらも江戸に帰ってきた中村主水を自分の仕立て屋を営む長屋に招待することでなんとか話を聞くことにしたのだった。
勇三「だって江戸中大騒ぎでしたよ?寅の会が解散したとかその騒動で鉄さんや錠さん、巳代松さん、主水さんが死んだって言ってたんですよ。」
主水「なるほどねぇ。それはちなみに誰が言ってたんだい?」
勇三「俺が始末した悪人も言ってましたし俺の兄貴も言ってたって何でも屋の加代さんが伝えたんです。」
主水「なんだい?何でも屋までこの長屋にいるのかい?」
勇三「ええ。でも今は何処にいるかは分かりません。俺が仕置きのために追い返したようなもんですから。」
主水「なるほどな。それにお前さんは秀が師匠で勇次がお兄さんでありながらたった一人で今まで仕置人をやっていたって訳か。」
勇三「ええ。俺はどんな事があっても皆さんが死んだとは思っていませんでしたから。」
主水「全くよ。お前さんに何かあったら秀や勇次に合わせる顔がねぇだろうがよ。」
主水は勇三が何故仕置人として行動していたのかという真実を聞いて呆れると共にこんなアドバイスをしようと口を開こうとした矢先、主水は勇三に声を掛けたのだった。
主水「お前さん、これ以上仕置をしちゃいけねぇ。」
勇三「なんでだよ、あんな悪人をのさばらせてどうするつもりなんだよ?なあ、主水さん!」
主水「なんでもくそもあったもんか!」
そんな言い合いをしていると長屋のとびらを叩く音がしたため、勇三が立ち上がる。
勇三「ちょっと待った。確認してくるぜ。」
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