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もしかして、まさみさんは私の思いに勘付いているの?下着のラインが透けているんじゃないかと思う位に背中に汗をかいているのを感じた。隣にいるだけでこうなのに、人里離れた山中でしかも二人きりで作業だなんて、考えただけで心臓が飛び出しそうになる。
「‥‥‥雨でも降らないかな」
ぼそっと言ったその一言を、まさみさんもあきとさんも聞き逃さなかった。
「あら、私は雨が降る前にやっちゃった方がいいと思うわよ」
「輪田さん、僕と一緒じゃ迷惑ですか?」
二人同時に言われて、どちらに答えたらいいか分からずに交互に顔を見渡していると、まさみさんが言葉を続けた。
「ゆきこさんは雨に降って欲しいのかしら」
まさみさんが続けて問いかけてくれたので、私は先にまさみさんに答えることが出来た。
「はい。今回のはあまりに不衛生な気がして。雨で少しでも綺麗になってくれたらと」
この答えは、同時にあきとさんに対する答えにもなる。私は少し安堵すると、まさみさんは少し悪戯っぽい笑顔を私に向けた。
「ゆきこさんがそう思うのなら、まあいいわ。でも、一応二人で明日の打ち合わせはしておいてね」
二人で同時に頭を下げると、私は自分の席に戻った。あきとさんの隣の席は空いていないけれど、私の隣は空席になっているからだ。その空いている席にあきとさんがゆっくりと腰掛ける。
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