ジュードジオブスキュアのこと

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ジュードジオブスキュアのこと

 我が家には何種類か薔薇たちがおり、狭いベランダで時々不満を表しながらも暮らしております。先日、新しい仲間が増えました。今日はその薔薇についてお話しします。  ジュードジオブスキュア。デビットオースチンの作ったイングリッシュローズの一つです。名前が難しくてなかなか覚えられないのですが、コロンと丸く大きな形と柔らかいアプリコットオレンジの色がとても可愛い薔薇です。  うちには何冊もの薔薇の雑誌やカタログがあります。載ってる薔薇、みんな可愛いんです。カタログやネット販売のサイトを見てると数時間なんてあっという間です。そして見てると欲しくなるわけですよ。でもうちのアパートのベランダは狭いし、外側が手すりではなく塀になっているんです。一部分だけ鉄製のはめ込みがあります。可愛い形の。私は高所恐怖症なので、ベランダでも下が見えると怖い人。入居した当初はまさか薔薇を育てることになるとは思っていなかったので、胸ぐらいまでの壁には安心感を覚えて、布団も干しやすいしいいかなと思っていました。洗濯物も外から見えづらい。でもこのベランダが薔薇たちにとってはあまりよろしくないと判明したのは薔薇を購入した後でした。春から秋まで限られた狭いところしか角度の関係で日が当たらないのです。それなのに夏は熱風が吹き抜けます。冬は日当たりもよく温かいのですけれどね。  昔から薔薇が大好きだった私。でも、植物を枯らしてしまう天才なので、自分で育てるという選択を長年見送ってきました。薔薇園に行ったり、義母の育てている薔薇を見たりすると、欲しいなと年々思うようになりました。薔薇のネット販売について詳しくなかった私はまずホームセンターで売ってないかと立ち寄り、なんとも可哀想な状態の薔薇さんに出会い、忍びなくなってそれを購入することにしました。  鉢増しの鉢、薔薇用の土を買って初めての薔薇育てをスタート。ところがその子は病気だったようでなかなか順調に育たず、ウェブサイトや園芸雑誌で調べながらの毎日。ベーサルジュートという新しい茎が根本から生えてきた時はもう本当に嬉しかったです。薔薇は毎日の観察が大切。毎朝夕、葉の調子を見て病気や虫がいないかチェックして、土の状態も見ます。私は薔薇が大好きで、毎日薔薇に話しかけながらお世話をするのが苦ではなく、楽しく続けています。そのうち友人から挿し木で頂いたり、薔薇園で買ったりしたものたちが加わり、ネット購入もして、気がつけば6種類8株に。もう増やせない。ネットで購入したときも悩みに悩んで厳選して増やしたのだから。そう思っていたのですが……。  薔薇に限らないかもしれませんが、薔薇はカタログ落ちが早いようです。カタログ落ちをすると販売されなくなるので手に入らなくなります。  ジュードジオブスキュアはアンブリッジローズと共に憧れていた薔薇です。アンブリッジローズはカタログ落ちをしていて、買えませんでした。ジュードジオブスキュアもカタログ落ちしたら手に入れられなくなる、と思うといつかそうなる前に買っておきたいと思ってしまい、初めて今回大苗を購入しました。  薔薇には新苗と大苗があり、大苗は薔薇2年生で、新苗と比べて大きく、蕾もたくさんついていました。初心者は大苗からが無難なのですが、値段が高いため、私は新苗ばかりを購入していたので、届いた大苗の株の立派さに驚きました。蕾もたくさんついていて感激!  ところが二日前、雨風が酷かった日です。仕事から帰宅した私はベランダを見て悲鳴をあげそうになりました。何鉢も倒れていて、ジュードは中でも酷い有様でした。蕾をつけているときはとても敏感なんです。倒れたことがとてもストレスだったようで、葉が何枚か一気に黄色に! 人間の白髪と同じですね。慌てて起こして土も戻しました。素手でしたら思いっきり棘が刺さりました。私も痛かったけれど、この子たちも倒れて痛かったのよねと思うと可哀想で痛みどころではありませんでした。  葉の黄変は今はなんとかおさまってます。でも、薔薇は本当にデリケートだなあと思い、ますます大切にしなくちゃなあと思ったのでした。  蕾が開かなくなるということも起こるんですよ。でも今のところ少しずつ開いてきているので、「倒れたのは嫌だったけど、咲く気はあるのよ」と言ってくれてるようです。他の薔薇たちは5月入ってすぐに咲き終わり、剪定したところから芽を伸ばしている最中。でも、この時期は日当たりが不満のようで、芽は伸ばすけれど蕾がつかないブラインドを起こしています。一番花は綺麗に咲いてくれたから、今は咲く気がしないならそれはそれで仕方ないかなと思って見守ってます。梅雨に入ると病気になりやすいため、体力を使いたくないと思っているのかもしれません。まだ株が育ってない子たちだしね。なかなか難しい薔薇たちですが、咲いてくれるとやっぱり可愛いし、花がないときも、それぞれの葉や棘のつき方を見ているだけでも飽きません。親バカな私のスマホには薔薇の育っていく過程の写真が、羽生君の写真と同じぐらい何十枚という単位で入っているのでした。  今日は薔薇について語ってみました。  長くお付き合い頂きありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。      2023.5.21 追伸 Twitterに写真を載せています
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