プロローグ

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プロローグ

無駄にした…か 私が1番キレイな時期を 既婚者ってわかってたけどそれでも良かった だけど、課長の奥さんが うちに怒鳴り込んで来た時すべてが終わった ほんとに 「泥棒猫!」 なんて言われるんだ… これ以上の修羅場は御免 埼玉の実家から通えない事はなかったけれど 少しでも駅近にと都内にワンルームを借りて 始めた一人暮らし 課長もよく来てたけど、最後は 奥さんと三人で膝を突き合わせる事となった 後になって興信所を使ったって聞いた 私はこれをきっかけに今の部屋を出る事に オフシーズンだったので 引越し代も安く上がり 課長は、こっそり 「新居に」 と、一人暮らしには不似合いな 大きい冷蔵庫を買ってくれ、 実用的なモノでの『手切れ金』 ありがとう ほどなくして、課長は地方に異動になったが 今回の事が原因と言うわけではなく 体裁が悪かったのであろうか、あるいは 夫の将来を案じてだろうか 奥さんは、怒鳴り込んでは来たものの、 意外にも冷静なところを見せ このことが当事者以外に漏れる事はなく 課長…そう、進藤課長が視界から いなくなったことを除けば 私は落ち着きを取り戻し 淡々と、今まで通り仕事をしていた
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