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「アーロン!」
「遥、ここだよ~!」
アーロンは、そこらにいる人達より頭ひとつ分大きいし、しかも金髪なんだから、大きな声をあげなくてもわかるのに…
「ごめんね。出ようとした時に、お局さまから用事を言い付かっちゃって…」
「そんなこと、気にしないで。
それより、お腹すいたでしょう?
早く食べに行こうよ。」
「うん、ありがとう。」
私はアーロンと腕を組み、歩き出す。
なんだか、周りの視線が集まるのを感じる。
そりゃあそうだよね。
アーロンは、まるで俳優さんかモデルさんみたいに格好良いんだから。
私みたいなごく平凡な女の子が一緒にいるのは、不釣り合いだよね。
でも、アーロンはそんなことは全く気にせず、私にとても優しくしてくれる。
いや、そうじゃない。
アーロンは誰にでもすごく優しいんだ。
その上、頭は良いし、日本語がペラペラで、ことわざなんて私より良く知ってるし、しかも、しゃべれるのは日本語だけじゃない。
いろんな国の言葉を自在に操られるんだからびっくりしてしまう。
そんな素敵なアーロンと私は恋に落ち…
知り合って二年目になって、ついに先日プロポーズされた。
彼は、もうじき日本での勤務が終わり、故郷に帰ることになっている。
つまり、私も、これからは彼と一緒に彼の故郷であるイギリスに住むことになる。
海外旅行は、ツアーでグァム島に数日行ったことがあるだけで、もちろん英語も話せない。
だから、不安はいっぱいだけど…でも、アーロンがいてくれるから、きっと乗り越えられるはず!
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