強請って、襲って

7/7
122人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
「ああっ……駄目ッやっ……イっ……」  バシャッバシャッと大きく湯を跳ね上げて、先輩が俺を支えたまま起き上がった。一度抜かれて、湯船から大きく身体を外に出すと床に上半身をうつ伏せに押さえ込まれて、後ろから再び突き上げられた。 「……ああぁっ」  強く突き上げられて、塞き止めるものも無く、仰け反ると床に熱を吐き出した。中にあるものをぐっと締め付けると、ズルリと引き出されてぶるっと身体が震えた。  パタパタと水滴の落ちる音がした。  お互いの荒い息が浴場内に木霊する。  ふっと背中から先輩が離れて、湯船から出る。俺は湯船に足だけ入れたままそのまま力なくうつ伏せてしまっていた。 「響、大丈夫?」  両腕に顔をうつぶせたまま顔を横に振ると、「ちょっと待って」と言いながら桶でお湯をかけて流してくれた。  ずぶ濡れのドレスは重たい上に、冷えて冷たくなってくるけど、憔悴して起き上がることもままならない。 「溺れないで」  先輩は言いながら俺を湯船の中に座らせると、浴場から出て行ってしまった。  湯船の縁に身体を預けて、「……逆上せたかも、熱い」と呟いて目を閉じた。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!