第5章 監禁島

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第27話 隊長オリエ 嬉しいと同時に疑問も感じる どうやって生き延びたのだろう? 生き残った隊員の中心にひと際体格のいい隊員がいる。 まるでボディービルダーの様に筋肉で体を覆っているような体格で背も高い。先程、リュウと呼ばれていた人とは違った意味で凄い体である。 地球でもジム等で鍛えた肉体を見せる傾向があるが、この隊員も何故か一人だけ上半身裸である。 何がいるか分からないこの島で、裸でいる意味は分からない。 「お~オリエ、お前が皆を守ってくれたのか」 スフィンがその男に声を掛ける。 「最初の爆発が起きた時に、たまたま隠れ家を見つけたので、近くにいた隊員を隠れ家に誘導したんですよ」 「そうか、オリエは助かると思っていたが、こんなに命が助かるとは思っていなかった。本当にありがとう」 スフィンはオリエに深々と頭を下げた 「そんな頭を上げてください。隊長として当たり前の事をしただけですから。それに爆風を防げたのは隊員全員で防御魔法をしたおかげなのですから。それに助けられなかった隊員も多いので、隊長として全員の命を守れず申し訳ございませんでした」 それにしてもどうやって隊員達を一か所に集められたのだろう? 様々な疑問が沸き上がる それに隠れ家とは? 「スフィン様、こちらに来てください。」 スフィンと僕達は大きな岩から降りると、なんと岩の後ろに鉄で出来た扉がある。 岩に鉄の扉? オリエは扉を開けると降りる階段が見えた。 「どうぞ中に」 オリエが先に階段を降りていく。 その階段は大人が屈まずに降りれるぐらいの高さであり、横幅も大人二人分の幅しかない。 階段の周りは土になっており、階段の長さは100段ぐらいある。 結構長い階段に隊員達が入り、土が崩れ落ちない様に魔法で崩落を抑えたらしい 爆風がダイレクトに階段を直撃したら、いくら魔法でも無理だろう。この階段が地中にあった事が生き延びられた第一の要因なのだろう それにしても本当に良かった 僕達もスフィンと共に階段を降りていく。 一番下まで階段を降りると、岩の後ろの扉と同じ扉が現れる。 「この扉は強引に力で開ける事も出来ず、魔法も効かないのです。私が中に入ろうとしても入れません」 「オリエの瞬間移動でもダメなのか?」 瞬間移動? 「岩の後ろの扉は移動出来て開ける事が出来ましたが、こっちの扉は瞬間移動できませんでした」 どうやらオリエは瞬間移動が出来る能力があるらしい。だから隊員達を短い時間でこの階段まで連れて来れたのだろう 「色んな能力があるんだなあ~」 僕は独り言を呟いた。するとスフィンが答える 「それぞれ、特殊な魔法を使える場合がある。基本的には手から発する魔力で風を起したり、手に触れている物を動かす魔法なのだが、ナーゼの様に水魔法が使える者もいる。」 ナーゼが質問する 「でも皆も海水を動かせましたよ」 「君の場合は手に触れていなくても水を扱える。それは誰にも出来る事では無いのだ。それに空中に浮いていた水は海水では無くて普通の水だった。君は水を作り出していたんだと思うよ」 ナーゼは空中の水分を自在に操れるらしい。 戦闘でも水魔法は使えるが、何より水を作り出せたり水を自由に操れる魔法は、国の財産になりかねない。水が不足している地域ならば彼女を欲しがる国すら出るかもしれない 「とにかく、あまり水魔法の事は言わない方がいいだろう」 スフィンも水魔法の貴重さを理解したらしく、ナーゼの安全を考えて助言してくれた とにかく目の前の扉を開けようとするが、力自慢の隊員が開けようとしても、スフィンと同じく魔法を使える隊員が開けようとしても開かない 扉のある壁全体に魔法を寄せ付けなくされている。 僕達はスフィン達が必死に開けようとしている所を後ろから眺めていた
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