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3章 御用達サロン
「ホストするの初めて?」
タイガさんはとってもフレンドリーに
歩きながら僕に話しかけた。
「初めてです、よろしくお願いします
タローです!」
「おれタイガ、よろしくな
タローくん、なんていうか…
落ち着いてるな👍幾つなの?」
「あのぅ…37っす…」
僕は、蚊の鳴くような声で答えた。
「はあ⁈
年上かなーとは思ってたけど
マジ⁈ イイねえ〜」
そう言ってタイガさんは
親指立てて明るく笑った。👍
「あ、あの…でも
スカウトされたんです」
「うん、わかるよ
ウチ向きのルックスだもん👍
ホストにも店によって色があるけど
ウチの店はオラオラは少ない。
今そういうの流行んないしね。
K-popっぽい綺麗系や
アイドルっぽい可愛い系が多いよ
ほら、俺とか」
はい、と頷くと
「俺のどこがアイドルなんだよ!」
と笑いながらドンと背中を叩かれた。
確かにタイガさんは
アイドルというより
体育会系のイケメン大学生って感じだった。
「1ヶ月100万稼げるって言われた?
ミカジメさんに」
「はい」
「やっぱり。
あの人そう言ってひっぱて来んのよー
でもミカジメさん、見る目はある👍
タローは若く見えるし
なんかちょっと…変わってるよ
この世界は個性が大事。
後は、やる気次第な👍」
この人はいちいち親指立ててくれるのが
気持ちがいい。
(でも僕、中年てだけじゃなく
男でもないんです)
そう、告白したかったけど
自分からはまだ言わなくていい
ってユーリさんにクギ刺されてたから
黙ってた。
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