【4P】人形師

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良かった…これで、この国は救われた… 撤退していく隣国の兵士達を見て僕がそう思った時だった。 「……え?」 めらめらと赤い炎が僕の目に映ったのだ。 それは、僕たちの住む村のあたりからだった。 撤退して行く兵士達が、腹いせに火を付けたのだ。 「ア、アニー!」 僕は命がけで駆け出した。 村に向かって… だが、その間にも赤い炎はどんどん燃え広がって行く。 僕は、死に物狂いで走り続けた。 * 「エディ!」 村の傍には、村人たちが身を寄せ合っていた。 だけど、そこにアニーの姿はなかった。 僕はすぐさま、燃え盛る村の中に飛び込もうとした。 「エディ!何をする気だ! 村人たちは全員無事だ!」 僕は木こりのロバートさんに強い力で引き留められた。 「アニーがいないじゃないか! アニーを助けなきゃ!」 「アニー?何を言っている? アニーならもう何年も前に…あっ!エディ! やめろ!エディー!」 僕は、ロバートさんの手を振り切り、燃え盛る村の中に飛びこんだ。 助けなきゃ…!アニーを助けなきゃ! そう思ったら、炎なんて少しも怖くなかった。 *** 次の日、エディの家で、人形に寄り添いながら焼け死んでいたエディの亡骸がみつかった。 「エディ…なんでこんなことに…」 村人たちは、皆、一様に涙した。
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