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「来週の日曜日、ゆきこさんの力で雨を降らせて欲しいんだけど、頼めるかしら」
私はわざとらしく首をカクンとさせてからまさみさんに顔を向けた。
「な、何ですかそれ」
「あら、ゆきこさんの雨乞いは最強じゃない」
そう、私は以前、明日雨が降らないかなと所内で口にした次の日に雨が降ったということがあった。でも、時期的に梅雨だっただけであり、あの雨は私の雨乞いの力ではないなんてことは、まさみさんも分かっているはずだ。
「あれは私のせいじゃありません!」
「でも、雨になったのは事実よね」
「‥‥‥ッ」
まさみさんが微笑んでいるのが分かる。きっとまさみさんは私を元気づけるためにこんな事を言ったのだ。きっと‥‥‥
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