A Man Called Liam. - リアムという男 -

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 なんと行儀の良い犬だと口々にたった今目の当たりにした光景へ感心しきりの声を上げる二人の男の前、慶一朗がげっそりとした顔でただいまと呟くが、その言葉ではリアムの石化を解除できなかったようだった。  人間、目の当たりにした光景があまりにも予想外だったときは反応できなくなってしまう事もあるが、ちょうど今のリアムがそんな状況に陥ってしまったようで、どうしたどうした、そんなに再会を喜んでくれるのかと揶揄うような声に笑われてもすぐさま反応できないほどだった。 「……悪い。お前と別れた後に二人に捕まってしまった」  慶一朗がぼそぼそと呟く言葉に漸くリアムの石化が解除されて勢いよく顔を向けた後、その背後で互いの肩に腕を回してニヤニヤしている二人の男を見てその名を叫んでしまう。 「GGとケヴィン!?」 「おう、久し振りだな、リアム!」 「久し振り過ぎたからお前達の家に来たぞ!」  今顔を押さえて溜息を吐いている慶一朗が午後の再会後の出来事を掻い摘まんで説明をし、家に連れて行けと言われて断り切れなかったと申し訳なさを浮かべた顔でリアムを見つめ、慶一朗より遙かに人の心の機微を察することが可能なリアムが理解したことを教えるように頷いた後、驚きから歓迎の笑みに表情を切り替えて二人に向け手を差し出す。 「久し振り、GG、ケヴィン」 「元気そうだな」
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