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エピローグ「詩音の季節」
中学の時に、親友がいた。詩音って言って、世界で一番綺麗な顔をしてて。
頭も良くて。勉強も運動も何でもできた。馬鹿な私とは不釣り合いなほど仲が良くて。
互いに好きな事が似て、息がしやすくて。私達、前世はきっと双子だっていつも言い合っていた。
二人で書いた小説も、その中の馬鹿な恥ずかしい事も。全部、全部宝物だった。
その宝物達も、一つの訃報で全部灰になった。二十歳になった時、それは届いた。
詩音と同じ名前の花が咲いた冬の初め。詩音はもうこの世から居なくなっていた。
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