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(わぁぁ……)
新しいじてんしゃはものすごい乗り心地が良かった。
きーこきーこもゆわへんし、嘘みたいにすいすい走れる。
なんか、思いっきり頑張って漕いだら、新幹線くらい早く走れそうな気がした。
「あ、恭ちゃん!
新しいじてんしゃ、こうてもうたん?」
公園に着いたら、とうま君が僕のところに走って来た。
「うん!」
「めっちゃイケてんやん!良かったなぁ。」
「うん!」
「あれ?恭ちゃん、泣いたん?
鼻、まっかっかなってんで。」
「……ちょっとな。」
ボロいじてんしゃのことは、なんでかゆわれへんかった。
「恭ちゃん、あそこまで競争しようや!」
「うん、わかった!」
「ほな、行くで!よーい、どん!」
僕は、新しいじてんしゃを思いっきり漕いだ。
乗りやすくてカッコ良くてごっつい気に入ったけど…でも、あのボロいじてしゃにもたまには乗ったろ…僕はそう思た。
おしまい。
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