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感動の再会
一面の花畑で、一組の男女が歓喜の眼差しで見つめ合っていた。
「真由!? 真由なのか!?」
「そうよ、私よ! ああ、会えて良かった! あなたのことだから地獄には行かないとは思っていたけれど……」
「じゃあここは天国なんだな? 真由はずっとここで俺を待っていたんだな?」
「ええ。何十年もずっと待っていたの。ごめんなさい、結婚一年目で交通事故で死んでしまって……私、ずっとあなたに謝りたかった」
「いいんだ。いいんだ。こうして再会できた以上、過去のことはどうでも。——おやっ、俺の体はなんだか若い時みたいじゃないか」
ここで初めて、男は自分の異常に気付いた。
彼は、ちょっと前まで老体で病院のベッドに横たわっていた。それが今は、20代の青年——彼の人生で最も輝いていた時期の姿に戻っていたのだ。
「ここ天国では、自分が一番好きだった頃の姿になるの。あなたのお母さんは、ちょうどあなたを産んだ頃の姿になっているわよ」
「おふくろもここにいるのか?」
「もちろんいるわよ。私ね、すっかりお義母さんと仲良くなったの。あなたと結婚する時は、すごく反対されて意地悪もされたものだけど、死んでからはもう実の親子みたいにしているの。さ、お義母さんにも挨拶しに行きましょうよ。あとあなたの友達にも。みんなここにいるのよ」
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