赤いドレスの女

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「あやか、おめでとう!」 「おめでとう、祐介!」 絶え間なく聞こえるシャッター音。 二人は、どこか誇らしげに、幸せそうな笑顔をみんなに向けた。 そう…今日は、親友のあやかと祐介さんの結婚式。 知り合って三か月というスピード婚だ。 つい最近まで、「一生結婚出来なかったら、老後は一緒に暮らそう。」…なんて言ってたのに、あやかはあっさりと結婚してしまった。 (良かったね…あやか…) スマホの液晶に映るあやかは、本当に綺麗だ。 普段は着ないようなゴージャスなドレスを着て、お化粧やヘアスタイルも念入りに仕上げてもらってるから、いつもと違うのは当然だけど、それだけじゃない。 生涯の伴侶を得た自信からだろうか? 今日のあやかは本当に輝いている。 彼女だけじゃない。 参列した友人知人たちも、皆、晴れやかな顔をしている。 この日のために、精一杯のおしゃれをして… ふとあたりを見渡した時… 私の目は、ある女性の所で止まった。 真っ赤なドレスの女性だ。 普通、披露宴では花嫁さんより目立たないようにするものだけど、その人はとてもあでやかな赤のドレスを着ていた。 それを見ていた時、ある記憶が私の頭をかすめた。 (ま、まさか…!) 目を凝らし、再び、私はそのドレスを見た。 (やっぱりそうだ、間違いない!) その事実に、私は背筋が凍りつくような想いを感じた。
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