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14. 永遠を誓う
なんて事をしてしまったのか。
後悔してもし切れない。
こうして部屋にこもって泣いた所でどうにかなる訳でもないのに。
「アイリス様、リアナ様がお見えですけれどどうなさいますか?」
ノック音と共にドアの向こう側からジュノの声が聞こえてきた。
「誰とも会いたくないの……ごめんなさい」
返事を返すや否や、バーンっとドアが勢いよく開いた。
「アイリス、入るわよっ!」
鼻息も荒く部屋に入ってきたリアナはこちらを見ると、サッと顔色を青く変えた。
「なっ……なにこの傷は?!」
リアナが恐る恐る触れてくるアイリスの身体には、包帯が全身に巻かれている。
リアナに貰った聖水をどんなに沢山飲んでみても、どんなに身体を擦って洗ってみても、舌を這う感覚を体が忘れてくれない。体の中に捩じ込まれ、流れ込んできたダインの神気を忘れてくれない。
「湯浴みをされる度に体を乱暴に擦ってただれてしまって……何度も力を使って治して下さいとお願いしているのですが」
ジュノの声が今にも泣き出しそうに震えている。
「今治すわ」
アイリスはリアナがかざしてきた手を反射的に払い除けた。
「いいんです、治さないでください! どうか私に罰を与えてください……どうか……」
ダインの受けた傷はこんな物では無かった。命は取らないと約束してくれたけれど、恐らくあの傷は治しては貰えない。
「アイリス……」
リアナはアイリスの肩を抱き寄せると耳元で小さく囁いた。
「忘れましょう」
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