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時々、彼は生活のために出稼ぎに行くことがあった。
始めは2、3日。
初めて彼と離れた時、寂しすぎてずっと泣いていた。吹雪の音が怖くて、暖炉の前で1人丸くなって彼の服を握りしめて。
彼が帰ってきた時、暖炉の火が消えた小屋の中で、びっくりするくらい目を腫らして震える私を見つけて慌てふためいていたっけ。
寂しくないように
怖くないように
出稼ぎの前は何度も私に甘い言葉をくれて、優しく触れてくれた。
私ももっともっとってたくさん言葉も温もりも求めた。
1人の時間に慣れてきた頃から、少しづつ彼の出稼ぎの期間が長くなっていった。
私はもう泣くことは無かった。
それくらい、心も体も大人になっていた。
雪の降らない穏やかな日には、近くの村に食材を買いに行くことも出来る。
そこで、聞いてしまった。
彼の事
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