魔法使いの夜

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 『まあまあ、怒らないの。隠せばいいのよ。 えーと、この辺りに・・』 そう言うとミケ子は体を起こし、 勝手にタンスの引き出しを開けた。 『凄いミケ子、そんなことが出来るんだ』 『ダテに歳を取ってないわよ、え~とこの辺り』 そう言いミケ子はブルーのスカーフを引き出した。 『これを首輪の上から巻けばいいわ』 ミケ子は続ける 『それと変身しても首輪は外さない事! 外せばその場で子猫に戻るわ、 鈴の魔法に気づかれちゃダメよ。 いきなり舞子さんの前に行くと驚くわ。 ・・だからね』 ミケ子は僕に耳打ちした。 『うん、わかった!』 『それと人間になったばかりの時は急な変化で 驚くかもね。4本脚が2本歩行になるから。 本当に分かったの?』 『分かったー!!』 僕は返事も聞かずに駆け出した。 **  今日は満月。 午前0時0分0秒が待ち遠しかったから。
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