僕勇者。魔王が菓子折り持って挨拶に来たんですが?

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「我々は女神が望む戦いを演出しなければなりません。というわけで、まずはご挨拶に参った次第です。私の部下は既に貴方と戦ったりもしたようですが、私はまだ貴方と一度も顔を合わせていなかったもので」  すすすすす、のお菓子の箱を僕の方に押し出しながら言う彼。 「最初は勇者さんが適切にレベルアップできるように弱いモンスターから順番にけしかけますのでご安心ください。大凡、半年で解決するプランを考えてます。半年で私の城までやってこられるように頑張って下さい。辿り着いて頂けた暁には、適当なところで負けて消滅するっぽい演出をしますので」  というわけで、と。  彼は真剣そのものの眼差しで告げたのだった。 「これからもどうぞよろしくお願いいたします、勇者さん。なんとか女神を誤魔化して、元の世界に帰りましょう!私も応援しますので!」 「……マジデスカ」  僕勇者。  最初の町で戦ったり準備を始めて早々、魔王が菓子折り持って挨拶に来ました。そして、残念すぎる真実をぶっちゃけてくれました。  ああ、夢と希望に溢れた素敵なチート無双展開はどこへ?  とりあえず、次に女神に会ったら一発殴ろうかなと真剣に考える僕なのだった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!