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「我々は女神が望む戦いを演出しなければなりません。というわけで、まずはご挨拶に参った次第です。私の部下は既に貴方と戦ったりもしたようですが、私はまだ貴方と一度も顔を合わせていなかったもので」
すすすすす、のお菓子の箱を僕の方に押し出しながら言う彼。
「最初は勇者さんが適切にレベルアップできるように弱いモンスターから順番にけしかけますのでご安心ください。大凡、半年で解決するプランを考えてます。半年で私の城までやってこられるように頑張って下さい。辿り着いて頂けた暁には、適当なところで負けて消滅するっぽい演出をしますので」
というわけで、と。
彼は真剣そのものの眼差しで告げたのだった。
「これからもどうぞよろしくお願いいたします、勇者さん。なんとか女神を誤魔化して、元の世界に帰りましょう!私も応援しますので!」
「……マジデスカ」
僕勇者。
最初の町で戦ったり準備を始めて早々、魔王が菓子折り持って挨拶に来ました。そして、残念すぎる真実をぶっちゃけてくれました。
ああ、夢と希望に溢れた素敵なチート無双展開はどこへ?
とりあえず、次に女神に会ったら一発殴ろうかなと真剣に考える僕なのだった。
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