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おばあちゃんが倒れた。
一命は取り留めたけど、介護が必要になった。
自力で歩いたり食事をしたり排泄をしたりすることができなくなってしまった。
おばあちゃんは施設に入ることになった。
私はおばあちゃんの家で独り暮らしをすることになった。
さすがに、父は心配した。
「美緒、うちで一緒に暮らさないか」
綾香さんも言った。
「美緒ちゃんの気持ち、分からないわけじゃないけど……一緒に暮らさない? 綾斗も待っているのよ」
高2での独り暮らしは、私も自信がなかった。
下校の時、痴漢に遭ったり、変な人に声をかけられたりして、怖い思いをすることも増えてきた。
それに加え、おばあちゃんの介護の問題は大きかった。
やっぱり、父を頼るしかなかった。
悔しかった。
父の力は借りたくない。
そう思っていたのに。
けれど、介護にもお金がかかるし、大学進学も控えている。
やはり、父のもとに帰るしかないのだろうか。
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