プロローグ

1/1
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ

プロローグ

 一体いつまでこの状況が続くのかしら……。  先に飲み込まれた2人の姉と、後から飲み込まれてやってきた2人の弟、そして1番最近では大きな石ころ。  お父様ったら、我が子だけじゃなくてとうとう石まで飲み込んじゃうなんてどうかしているわ!  ああ……父親の腹の中で死ぬことも無く、ただ時間だけが過ぎ去っていく。  だれか……誰か助けて……っ!!!  心の叫びが届いたのかどうなのか、ある夜突然にその日はやって来ましたの。  弟のポセイドンとハデスが突如消えたかと思ったら、今度は自分が逆らい難い力によって父親の腹から「うえぇ……っ!」と吐き出され、先に出ていた弟2人の上にドサッと落ちました。  そしてまず初めにわたくしの目に入ったのは、苦しさに悶える父の姿と、初めて会う弟の姿でした。
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!