41人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
「おはよう美紀香ちゃん。うん、結太の奴むかつくんだよ~」
わたしは頬をぷくっと膨らませた。もう結太の顔を思い出すだけで腹が立つ。
「あはは、またか~結太のことなんか気にしないで給食のことでも考えようよ」
美紀香ちゃんはくふふと口元に両手を当てて笑った。
「は? 朝から給食のことなんて考えるの~さっき朝ごはん食べたばっかだよ」
まったく美紀香ちゃんは食い意地が張っているんだから。
だけど、そんな美紀香ちゃんにわたしは癒される。紫美紀香はわたしの家の右隣に住む大好きな幼なじみだ。
だけど、この子もちょっと難があるんだよね。どんな難があるのかはまた後ほどね。
「だって、嫌なことをグチグチ考えるより楽しいことを考えたほうが人生楽しいよ」
「うん、たしかにそうだよね」
「今日の給食カレーだったらいいな」
「わたしは唐揚げがいいな」
「じゃあ、唐揚げカレーだったら最高だね」
美紀香ちゃんはそう言ってにんまりと笑った。
「うん、それだったらめちゃくちゃ嬉しいよ」
なんていつもの会話をしながらわたし達は通学路を歩く。
最初のコメントを投稿しよう!