第5話/私の不時着→💛

1/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ

第5話/私の不時着→💛

極度の高所恐怖症な私…、暗所&狭所がお気に入りな私! それ全部ごちゃまぜで、私は異空間⇒お姉ちゃんの恋人に転落した~~❓ ブラックファンタジーをベースにした乙女ラブの小編です❣ *********************************** ワタシはビョーキ❓ ”ワタシ…、ビョーキなの❓❓” ”え?全然でしょ、キミは。健康そのものの女子チューじゃん❣” ”でもワタシ…、ヘンな夢見てるし…” ”どんな夢だい❓” ”雲を貫くまっすぐな梯子をずっと降りてるの。とても高いところから…。一段一段…。震えながら…。でも、降りても降りても終わらないの。一歩踏み外したら落っこっちゃうよー!怖いよー” ”でも、それ…、夢なんだろう?。なら、仮に梯子を踏み外して落っこっちゃっても、平気だよ” ”でも…、ゼッタイおかしいよ。いつもそんな夢続いてるんだもん!きっと、いつかそれ、現実になるんだ‼怖いよー‼” ”アハハハ…、そうさ!お前の見てる夢は現実へとつなぐ梯子なんだ‼一歩でも踏み外せば、真っ逆さまに転落してしまうぞ!永遠に落っこちてゆくんだよ!アハハハハ…” *** 「わー‼誰か―、誰か―!助けてよー‼落っこちゃうよー!」 バターン! 彼女の母が勢い良く、ふすまを開けた。 「キリコー!また、あんた…、こんなとこで‼中学生にもなって、バカじゃないの!外はまだ明るいのよ!まったく~~。早く出て来なさい!」 「ママ…、ワタシ…」 キリコは求めていた。 ワタシを助けてくれる人を…。 ”ママは、なんで助けてくれないの❓このままじゃ、ワタシは梯子から落っこちやうんだよ!高い高いところから、永遠に落ち続けて…。そんなの、やだよー‼”   キリコは2階客間の押し入れの中から出て、そう胸の中で叫んでいた~~。 *** 「えー❓キリコ…、また押し入れの中に…❓やっぱさ、高校受験かなりプレッシャーになってるんじゃないの❓1学期の成績じゃあ、志望校、ヤバいんでしょ❓」 「まーねー。だからさ、ミクコにはさ、その辺のフォロー頼むわよ。特に英語が苦手だから、キリコは。あなたみたいに英語教室通わせとけばよかったわ。バレエ教室なんか、授業料ばっか高くて、バカ見たわ。キリコ、カラダ固いんですもん。所詮、無駄遣いだったわよ。ふー、だからさ、勉強だけじゃなくね…」 「はいはい…」 キリコの姉、ミクコはスマホをいじりながら右から左に聞き流していた。 とは言え、ミクコも3歳年下の妹が”例の夢”に悩まされ、半ばのノイローゼ状態になってるコトには、ここのところ気にかかっていたのだ。 それには深~い理由と伏線と長いいきさつがあったのである! 少女は高所恐怖症だった訳で❣ 高校受験を半年後に控えた中学3年のキリコは、そのストレスからか、生来の”あの発作”に再び悩まされていた。 それは…。 高い場所から転落するという恐怖観念で心臓がばくばくして、ひどいときは手足の痙攣が数時間止まらないこともある、そんな、幼少期からの高所恐怖症に起因する精神的現象であった。 で…、そもそも、キリコが極度の高所恐怖症に陥ったキッカケはというと…。 彼女の決定的な記憶としては、小2の時に親しい近所の家族と連れ立って、埼玉某所にある初心者向けの山登りに出かけた時のこと! その日…、頂上に到達するまでのキリコは”平気だった”のだが…。 山頂から見下ろした風景(フツーの感覚では文句なしに心洗われる絶景‼)を両の眼下に収めた途端、もう一発でやられた! ”いつもは見上げていた、遠い天空でふわふわ浮いてる雲を、何で私が見下ろしてるのよー” まずは、彼女の胸中にはそんな自問自答がもわもわと湧いてきたのだ。 *** 要はそこまで遠~い、高いところまで自分は辿りついて、今”そんな場所”に立っているとリアルに悟ってしまった瞬間…、もう怖くて怖くてしょうがなかったと! 目に入る山々の壮大さで圧倒され、7歳の少女はブルブルと足が震えて全身は脂汗状態となり、しゃがみ込んでしまったのだった。 もう、この観念にいったん陥ると、山頂の展望台を囲む柵が今にも外れそうで仕方ない。 もし、今直下型の大地震が来たらどうすんのよ!と…。 最も津波は大丈夫というプラス思考はしっかり、頭の隅に浮かんではいたが…。 なので…、とにかく実際、崖際5M以内は怖くて近づけない。 もしかすると彼女の場合、”その延長”を想像するイメージ感が人並外れて先鋭的だったのだろうか。 それは…、高いところから落ちたらどーなるのかと! ”ちょっと待ってよ!こんな高いところまで来て、もし無事降りれなかったら…、落ちたらどうするの?早くおうちに帰りたよ。怖いよ~” そんな恐怖感が、直感的に幼い脳裏に宿ってしまったのかもしれない。 今悩まされているあの”連続夢”は、この恐怖感が手繰り寄せた不可思議な心理現象とか…。 *** つまりキリコの場合、恐怖感が山頂を踏破した達成感を飲み込み、今実際、そんなとてつもなく高い場所に自分がいるという不安…。 それはトラウマのレベルに達し、以降、彼女の心の奥深くに根付いてしまったようで…。 これは深層心理的なメンタル作用で、理屈ではないのかもしれないが…。 *** とにもかくにも…! この出来事を境に、ビルの屋上はもとより室内の窓からの風景も地上3階以上はカンペキNGという、コテコテの高所恐怖マインドがキリコには植え込まれた。 キリコの3歳上になる姉のミクコは、そんな妹によく言っていた。 「…私なんかに言わせりゃあさー、高いとこより、狭くて暗いとこの方がよっぽど怖いって。キリコとは真逆だね(苦笑)」 そうであったのだ‼ 極度の高所恐怖症であるキリコは、一方で狭いところ暗いところは平気…、という処で止まっておらず、なんと…、暗くて狭い場所…、具体的には押し入れやクローゼットの中が大好きだったのだ。 何しろ、小さい頃から布団の収まってる部屋の押し入れに入って、ふすまを閉め、真っ暗なその狭い空間でウトウトするのが”趣味”に近かったのだから…❢ *** その一風変わった癖(ヘキ)は、中3になっても続いていた。 で…、秋も深まったある日中…、中間試験から帰ったキリコは真昼間から、お楽しみの押し入れ寝タイムを過ごしていた…、のであった! もっとも、”お年頃”になった彼女のうとうとタイムのおかずは、”ステキな王子様”妄想がもっぱらであった。 要するに、恋に恋する中2少女は、暗い押し入れの中でそのトキメキを開放させていたのであるから…、家族はそんなキリコをとても心配していた。 そしてその日も、午後1時ごろから30分ほどは、膝でリズムをとりながら鼻歌を歌っていたが…。 やがて、ただ今夢中な某イケメンアイドルとお手々繋いでとかのほっこり妄想でニヤニヤしながら、いつものようにウトウト…、となっていた…。 え!私、落ちた❓ 『…おい、ホントにいいのかよ❓』 「いいのよ~。今日はママ、ジムでさ、夕方6時まで帰らないから。ねえ、もっとくっつこうよ~~💖」 『ああ、でもさ…。ミクコの部屋じゃなくて、ここ、客間なんだろう❓』 「そうよ。だってぇ~、私の部屋、妹と一緒だしー。親の寝室じゃあ、気づかれたらまずいでしょ❓下の居間は、お布団ないし。だからここがイイのよ❣ウフフ…」 『ああ、そういうことか。はは…、じゃあ、このくらいはいいか…』 ミクコの同級生でもあるカレシ、ツグオは、窓際に並んで小柄なミクコの肩にまわしていた右腕で彼女の首を胸元に寄せた。 『アハハ…、やっぱ、欲情したわ。キスするぞ❣』 「どうぞ~ん…💛」 高2の二人は穏やかな西陽を背にして、いっぱしのディープキスをチュパチュパと1分以上興じていたのだが…、いつの間にか、互いのカラダをねっとり調で撫で上げ合っている…。 そして、ほどなく、性欲に火のついた❓アツアツな恋人同士は、床に横たわると、息を荒げ抱き合っている…。 「ツグオったら~、やだー、もう服脱がせて~」 『お前だって、ズボンのベルト既に緩めてんじゃん❣』 「いや~ん❣」 という流れで、わずかの時間で、オンナはブラ姿、オトコはパンツとなり、キスと愛撫で真昼間に展開する官能タイムのギアは次第にアップ…。 *** 「フローリングだと痛いわ。押し入れからマットレス出しといて。私ちょっとトイレ、行ってくるからさ~。左の戸を開けて、両手で一気にね。他のシーツとか乱れないようにさ…」 『リョーカイ~👌』 ミクコは長い髪を両手で後ろから捲し上げながら、ブラ姿で室を出て、2階の階段脇にあるトイレへと向かった。 ”スーッ!” 建付けの悪くない引き違いの襖戸はほぼ無音で開いた。 『おお、これだな。アハハハ…、フワフワだわ。よし…、引き抜いてやれ!それー‼』 決して背は高くないツグオは、アイボリーのマットレスを顔で支える態勢から抱きかかえるように引き抜いたのであるが…。 *** 『あー❓なんて重いんだ、コレ…。わー‼』 バタン! ツグオは勢いよくフローリングの床にしりもちをついてしまった。 ところが…! 『えー⁉』 「あー、痛いなー、もうー‼えっ❓、えーっ❓」 なんと…‼ ツグオが押し入れから引っこ抜いたマットレスと一緒に、キリコが尻を突いて胡坐状態のカレに抱き着き態勢で収まってしまっていた~~。 『わー、誰だい、キミは⁉…、えっ…、ひょっとして、ミクコの…❓』 「あっ、あ…、ども…💦おねーちゃんのカレシさんですかね…❓(アレ!ズボン履いてないや…)」ー途端に赤ら顔ー 『はは…、初めまして。ども…』 互いにあっけにとられていたキリコとツグオは条件反射的に変則的に抱き合った❓ままで、挨拶を交わしてしまった~。 で…、そこへ用を足したおねーちゃんが戻ってきたと! 上半身はブラ1枚で…。 *** 二人は慌てて互いのカラダから一斉に離れ、キリコは下を向いてしまってる。 最も、ツグオのパンツに目線をやりながらではあったが…。 一方のツグオは参ったなあといった顔つきで、手で頭を搔いていた。 「ちょっとー‼ミクコ…、まさか、押し入れに忍んでたのー、アンター⁉」 一見して事態が測れたミクコは、露わなブラ姿を手で隠すこともなく、あきれた表情で、半ばエッチモードは吹っ飛んでしまったようで❣
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!