13人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
Guilty
俺は今、職場の同僚で恋人の桜井知英と、向かい合って食事をしている。
「優ちゃん、食べないの?」
「いや、食べるよ。」
俺は作り笑いを浮かべながら、知英が作ったスープを恐る恐る口に運んだ。
「そんなに警戒しなくても毒なんか入ってないわよ。」
知英の言葉を聞いた俺は、ごくりとスープを飲み込んだ。
「美味しい。」
「でしょ?得意料理なんだ 。」
傍から見たらお似合いのカップル。
だが、俺たちの会話はどこかおかしい。
「私さ、あなたの為に捕まるようなことしないから。二度もあなたに人生狂わせられてたまるかって話。ね、優ちゃん。」
知英の笑顔は嘘くさい。
それも俺たちにとってはいつも通り。
なぜなら、俺が恋した相手は俺の事をこの世で一番憎んでいるから。
最初のコメントを投稿しよう!