chapter~2~

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「ごめん、朔。お待たせしました」 「1ヶ月待ったことに比べれば一瞬」 「嫌みな言い方はオジサンっぽいよ?」 「で?今電話で言った‘前回と同じ調査を今夜から再開してください。報告は1ヶ月後に頂きたい’ってのと、あのUSB、里麻の疲れ具合…全部関係あるんだろ?」 「……」 「ややこしいことに力を使ってんなよ。どうせ、負のパワーだから疲れてるんだろ?」 「……お腹がへった」 「食う時間あるのか?」 「ある」 朔は腕時計を見てからお店の中を覗き 「翠さん、裏のロコモコ弁当注文するけど一緒に頼もうか?」 と小さく聞いている。 「ひとつ頼む」 「了解」 「飲み物は取りに来いよ」 「あとでもらう。インターホン、俺が出るから」 と言った時にはもうスマホを触っている朔と私も少し似ている。彼がロコモコ弁当を注文する短い間に頭をフル回転させて、今夜の尋問を乗り切る算段をつけるのだが…難しいな…朔も鋭いんだよね。
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