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プロローグ
「トラウマメーカー?何だその不穏な名前」
同棲中の彼に今手掛けている仕事の話を持ち掛けると、彼はビール缶から唇を離し苦笑いをした。
口の周りに泡が付いたまま話し続けようとする彼に行儀が悪いと指摘すると、彼は真顔でそれを手の甲で拭い取った。
「トラウマって、世間では後ろめたいものとして
見て見ぬふりされがちでしょ。だからこそ、変え
たいと思ったの。」
今回、私がチームリーダーとなって立ち上げた
プロジェクトは軌道に乗っていた。
普段は私の仕事の出来など気にもかけない上司も、
『君にもいよいよ、出世のチャンスだ。期待
してるよ。』
笑顔で私の肩を叩き、激励してくれた。
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