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手を引かれる、肩を抱かれる……… いつもの何気ないことが、特別なことに変わったのはいつだろう。 あなたに触れられる度に、その場所が熱くなったのは、あなたの体温のせいだけじゃないことに気づいたのはいつだろう。 ふわりと残る香りに、胸の奥が締め付けられたのも………… 知らなかった感情と、知らなかった自分に心揺さぶられる日々。 幼くて………あなたに甘えてばかりいた僕が、その弱さを隠したくなったのはいつだろう。 あなたに黙って肩を貸せる男になりたい……そう想い始めたのは……… 静かに熱く僕の中に積もっていくものが、恋だと気付いたあの日。 僕は皆に気付かれないように、あなたの指に触れた。 振り向いたあなたが僕を見る。 不思議そうな顔のあと、優しく柔らかく微笑んで僕の手を握った。 何事もなかったかのように、前を見るあなた。 隣で同じように前を見る僕。 握った手は離されない………… それが………僕たちの秘密の始まり。
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