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実の祖母とは離れ離れで、ひとりぼっちの私が・・家族に
なるわけではないけれど、いつも側に誰かがいる暮らしがまた
できるのだと思うと気持ちがワクワクするのが分かる。
この竹林の家できっと私は幸せになれる、そんな予感がした。
ここでの暮らしのことを思えば思うほどに、えーっ出来過ぎじゃない?
すっごく気に入った竹林があるお家に住めるなんて、夢のようじゃない。
家を出ればすぐ側に小川が流れていて周りは田畑に囲まれ、ほんとに
昔ながらの自然溢れる場所で、同じ日本に住んでいても一体
どれだけの人たちがこんな暮らしを手にできるのか、これを僥倖
と言わずして、何をかいわんや・・って感じ。
それも自ら頼み込んだわけでもなく、相手から請われてなのよ。
悲しいことばかり続いたからこんな素敵な運が舞い込んでくるなんて
ぜんぜんっ思ってもなくて、あまりに嬉し過ぎてうれしすぎて、朝方まで
興奮は続き、ほとんど眠れなかった。
嬉し過ぎても寝れないなんて、あるんだね。
翌日辰木さんに送られて自宅に戻った。
旅館を退職できた後、連絡をいれる約束をして・・。
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