天も地も降るような星ランプかかげて

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女医の目が真剣だった初診からよぎる不安に文鎮となる 帰り道スマホ検索止まらないすがる思いで指痛むまで 大好きと気持ちを込めて手を繋ぐあなた残して逝きたくはない うたかたに夫を残し抱きしめる私の指に残るぬくもり 宵の口人工衛星探すのはあなたの傍にいたい口実 夜空行くISSの弧の軌跡いつかあなたへそこで袖振る 生と死をかきわけ選ぶ永遠をがんサバイバー泣いてもいいよ 運び屋がリンパを巡り血を渡る眼帯付けた殺し屋乗せて ウィッグ脱ぎ伸びた髪の毛ふわふわとアクアブルーのイヤリングする ここにいる息をしている生きている喜び深く風に吹かれる 発射には全てのものを切り離し強くなりたい私はロケット 魂はあなたと共に果てるまで検査結果の無事願いつつ 木漏れ日に胸を打たれる退院日この世の全て抱きしめたいの ディオールのスカーフを巻きルージュ引く自撮り撮影がんを忘れて 最期まであなたといたい思い出が哀しみになると知っていながら 一粒の輝く月と語り合う命のありか潮の満ち引き 海を見て帰りのバスをひとり待つ寂しさ融けるコーラフロート 満ちてゆく輝くばかりのこの星に私の秘密そっと埋めたい 願うのはただ生きること古着屋で友と選んだ秋物コーデ 生きてゆくわたしはわたし天も地も降るような星ランプかかげて
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