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「選びます」
俺は魔を祓う霊験者だ。祓わずとも、目に魔を映してしまう。
ならば、魔に立ち向かう人々の見ている世界を知りたい。
そして、この人たちの助けとなりたい。
今は至らない点ばかりだが、この選択は口先だけじゃない。歯を食いしばって、やり遂げる。
「頑張って」
頭巾の奥から温かな声が聞こえた。
「祓い屋を頑張って。応援している」
道行の目から涙が溢れた。
視界を遮るものを振り払い、面を上げる。
「はい! ありがとうございます」
その顔は決意の表情で、心からの笑顔。
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