霧の出る日

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「ねぇ起きて、外に誰かいるみたいなの」 「えっ?」 体を揺すられて目を覚ました涼は、顔をしかめながら体を起こす。 耳を澄ませて、周囲の様子を探ると、確かに何かの気配を感じた。 「まさか、熊とかじゃないよな?」 「ううん。複数の人が会話してるみたいな感じ」 そう言われて、さらに耳を澄ませる。 「ねぇ、ちょっと見てきてよ」 「えっ、マジで?」 「お願い」 涼はテントのファスナーを下ろし、恐る恐る外の様子を伺った。 「えっ……」 目の前には、朽ちかけた複数の廃屋。 そこから生きているとは思えない様子の住人らしき者達が、ゾロゾロと近づいて来ていた。
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