人工知能JCN

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 子供達の集められた様々な施設で、「見守りもこなす人工知能」が運用される様になった頃、法改正の為の行動もまた効果を上げていた。血税を国家運営の為ではなく、私利私欲の為に使った者へ国家反逆罪を適用する。たった、それだけを憲法に取り入れるだけで、血税を浪費してきた罪人達を裁くことが出来る。これを為す為に、様々な苦労や命の危機を乗り越え、それまで「国のやり方に苦しめられてきた弱者」の協力を得ながら、「血税を国家運営の為ではなく、私利私欲の為に使った者へ国家反逆罪を適用する」ことが可能となった。  血税が国家運営の為に正しく使われる。本来であれば、法を改正するまでもなく行われるべきこと。しかし、長い間、「生まれ付いての権利者」の力によって、それは妨げられてきた。それを、これまで虐げられてきた者達の団結によって、法律をも変えた。政治家の都合に合わせて書き換えられてきた法律を、初めて虐げられてきた者達の団結によって変えた。後に社会科の教科書に載ることになる変化が、元号が令和から変わった時に起こったのだ。裏を返せば、令和と言う元号は日本人にとっての転換期であった。  それまでの常識や慣習に流され、一部の「生まれに恵まれた人間」だけが得をし、搾取され続けた人間が反旗を翻すーーその転換期であった。
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