生まれガチャに胡座をかく人に鉄槌を

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生まれガチャに胡座をかく人に鉄槌を

 令和五年、こども家庭庁が新設された。しかし、新しい庁が出来たところで、何の効果も感じられ無かった。形だけの「子供の事を考えました庁」は、新たな被害者を生み続けた。所詮、「生まれ落ちた環境に恵まれ、『生き延びる為に大人の顔色を窺い続ける子供』の苦労を知らない議員」には、苦しむ国民の気持ちなど分かりはしなかった。  議員とは、その多くが「自分達が如何に金や票を得るか、どうやって予算から中抜きしてやろうか」を考えている集団であった。メディアも、権力者からの圧力が有るのか、単純に弱い者いじめが好きなのか、被害者には付き纏う割に上の立場の相手には弱腰だった。  そんな弱者の命が奪われ続けた令和も終わり、新しい元号が発表された。そして、それに伴って様々な事が変化した。  先ずは、発達した人工知能によって判別をされた結果、無能な議員は悉く切られた。人間であれば、自分や親しい人間の命を脅かすと脅されれば、逆らうことは難しい。だが、生き物ではない人工知能。バックアップさえしておけば、不死とも言える人工知能。その膨大なデータと、それまでに蓄積されたノウハウから、国民を苦しめることしかしない議員は次々に消された。もし、そうでもしなければ、愚かな歴史を繰り返すだけだった。  このやり方に反抗するのは、令和の時代まで「苦労せず甘い汁を吸い、責任は取らない議員」だけであった。人工知能の判断によって「本来必要な予算」が国民に公開され、議員の不正もまた暴かれた。今までの失政や悪事から「形ばかりの謝罪」しかせぬ議員を信頼をする国民は既に消え、人工知能による断罪は税金を搾取され続けた国民を喜ばせた。  人工知能による予算案は、虐げられていた層の国民を特に喜ばせた。偽りの平等から、真の平等を得られたのだとーーそう、社会的弱者は思いさえした。
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