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「次に、生まれ変わるなら、何か希望はあるか」
再び私に、語りかけてくる誰かの声が聞こえる。
されど、今の私には生まれ変わる前に、かなえてほしい希望がある。
鎌倉の時代の私のととさま、かかさま、にいさま、ねえさまたちと、可愛い甥と姪と、たくさんの叔父と叔母といとこたちと。江戸の時代の私のおじじさま、私の可愛い子ども達。
そして、前世と今生での私の愛する御台所。御仏のもとで、会いたいと思う人たちがたくさんいるのだ。
「その願いはすでにかなっておるぞ」
どこからか聞こえる温かい声とともに、姿をあらわしたなつかしい人たち。
「御台、会いたかった」
前世の源実朝と今生の徳川家治は、再び生まれ変わる前に、愛する御台所のもとに、脇目もふらずに走って行って抱きしめた。
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