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「そういえば、私も見かけた時に、石長比売かと声をかけられ、そうだと答えたら消えてしまったから、特に気にはしていなかったのだけれど」
「そのあとどうしたの?」
「その時はまた西から東へと隈無く歩いて居たら、地図に丸を降ったところで見かけたくらいで。今日のように人玉のようなものは出してはおらず、数日夜に見に行ってはいたけれど見つけるとスルリと交わされるというか」
「恥ずかしがり屋さんなのかしら?」
それも違うと思うよ婆ちゃん!
名前は確認しても何も言わないということは……
「聖徳太子の時に仲の良かった人っているのかな?」
「兄貴、俺に歴史は無理!」
「でも、毎晩出てきてはウロウロするんだろ?誰か待ってるのかもしれないじゃん。ね?石長さん」
「は、は、は、はい」
顔を真っ赤にして下を向く石長さん。
兄と良く出かけていると聞いてはいたのだが。
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