赤と白 第二章 2

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 一・食い違い      しかし、国民福党を批判してるのはごくわずかで、ほとんどの国民は週休三日制を期待していた。  そして国民福党の公約が次々と実行された。  実際にロボットは、どんどん生産されロボットを生産している企業は人員を増やして、周りには中小企業も増えていき、街は活気づき、国は潤っていった。  そして医療でも、介護ロボットが増え力仕事が減少して不人気だった介護士も増えて、国は少しずつ上昇気流に乗ってきた。  その一方で、中高年の世代はロボット操作に、なかなか馴染めず、今まで必要とされてきた職人は仕事に溢れてきだした。  もちろん、週休三日制を無視して働くサービス業なども現れた。  国は違約金を取り、財源も少しずつ増えていった。  ここ福岡歌劇団も、その中の一つだ。 「島崎君、このまま違法を重ねてたら、国民福党に狙われて潰されてしまうぞ。  若菜君に頼んで、うちだけ免除して貰うように伝えて貰えないか?」 「うちだけとか無理ですよ……  岡田社長。」  福岡歌劇団もスターカシオペアが消滅して他のスターに分散され、週休三日制を取り入れた。   「しかし、来年の二月から始まる世界三大公演は無視してでも、三か月間、毎日休み無しの公演を行う。  ワカナとアカネは、三か月休み無しだ。  他の歌劇団員は週休三日でも構わないが……」 「ジミー、結構ハードな事させますね……」 「彼女達は随分、休んだだろう。  私も実は財源が底をついてだね。  分かるだろ、島崎君。」  「えっ……  私も三か月間無休ですか……⁇」 「君は、居ても居なくても関係無いから、ゆっくり休んで下さい。」 「えっ……」    
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