重要機器の極秘事項

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 ヴィクトルは股間部の皮膚に黒ムカデの歯が刺さり、数分前からむず痒い痛みに神経が逆撫でされ、黒ムカデをコントロールして威嚇させたのも苦肉の策であり、福子という工作員を抹殺する事しか考えてなかった。 『The mission should be prioritized』(ミッションを優先すべきだ。) (ある意味、福子の爪を立てた急所潰しは黒ムカデを興奮させ、黒蚕が吐き出す糸を縫う歯元が狂って皮膚を食い破り、拷問、打撲、裂傷などに抵抗力のあるヴィクトルにも効果的なダメージになった。)  股間部を拳で叩いて「Hmm」と気合を入れて冷徹な表情で「C Plan」とドミニカに指示し、左腕のワープ装置に映る座標をタップして後方の空間に亀裂を出現させ、日本の工作員を片眼で睨み付けて極秘事項を暴露し、ドミニカが日本語で補足する。 「The device is not complete. You'll have to destroy it eventually, but at least try your best」(その機器は完成してない。いずれ破壊する事になるが、せいぜい努力しろ。) 「C プランは完成前の爆破。リミテッドシリーズのスタートね」 「なんだよ。逃げるつもり?」と福子が怒り、拓郎がダッシュして空間の亀裂へ向かうヴィクトルを追い、離れた位置で見ていた和也が声を上げて止める。 「よせ、大和。危険だ」  拓郎は平和主義であり撤退する者を追う性格ではなかったが、ウクライナの使者・ユージンの魂を抹殺したヴィクトルは許せなかった。しかし、霊界ゾーンに吸い込まれる危険性があり、福子も心配して拓郎の背中を追う。
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