プロローグ

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プロローグ

 私が目を開けると、淡いブルーグレーの瞳と目が合った。  神官のライアンだ。 「ミナか?」 「はい」 「今、ルーナに忘却の術を掛けた。これで、ルーナの今日までの記憶は封印された。気分はどうだ?」  私は椅子に座った状態のまま、目を閉じて身体の不調を探ってみたけれど、特に変な感じはしなかった。 「……悪くはないです。大丈夫」 「そうか。では予定通り、次の合同慰霊祭でルアンの葬儀を執り行う」 「はい」 「葬儀の出席はミナではなく、ルーナ本人で良いか?」 「はい。よろしくお願いします」  私は座ったまま、膝に手をついてライアンに頭を下げた。  ――ことの始まりは、少し前に遡る。
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