Chapter #1

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            ◯ 「みさきちー! もう~、急にどっか行っちゃうから心配したよ~。ってあれ? どしたの、この世の終わりみたいな顔して」  小一時間ぶりに再会した舞恋は、私とは対照的に晴れ晴れとした笑顔を浮かべていた。 「テスト、全然ダメだった……。これ、まさか入学拒否とかされたりしないよね……?」 「えー、大丈夫っしょ! ただのクラス分けだもん。学費は払ってるんだから心配ないって!」  平気平気! という彼女の明るい声を聞いて、少しだけ救われた気分になる。 「舞恋の方はどうだったの? 面接、上手く喋れた?」 「うんうん! それがさー、面接官のお姉さんが日本にめちゃくちゃ興味ある人でさ。日本のこと色々聞かれて盛り上がったんだよ。もっといっぱい喋りたかったわー」  もはや友達と飲み会でもしてきたかのように満足した様子の舞恋。  どうやら面接官ガチャは彼女の方がSSRを引いたようだ。 「あとさ、あの人にも会ったよ。例の彼!」 「えっ……」  カヒン? と小声で聞き返すと、舞恋はぐっと親指を立てる。 「待合室が一緒でさー。あっちもすぐに気づいてくれたよ」 「そ、そうなんだ」  
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