4人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
***
「ええ?」
放課後、秘宝管理クラブにて。
ひかりがその話をした時、祈はあからさまに眉を顰めたのだった。
「そんな話、僕聞いたことないですよ?」
「まあ、新学期になってから始まったやつで、まだ本当に最近のことみたいだし……」
「いえ、そうじゃなくて。そんなあからさまに怪しい話があるのに、どうして僕のところに話が来なかったのかってことです」
「……どゆこと?」
祈るいわく。
そもそも秘宝管理士と管理室、秘宝管理クラブの存在は学校公認のものだというのだ。まあ、そうでなければこの活動は成り立たないものではあるだろう。祈が一人きりで秘宝管理クラブの管理、運営を任されていたのも学校が状況を把握して認めていたからだったらしい(なお、ひかりが助手として入ることも既に報告済みとのこと)。
つまり、学校側は秘宝の存在も、祈の立場もわかっていてサポートしてくれているということである。
全ての職員と先生が知っているわけではないが、校長と教頭、それから古株の先生らはみんな知っていると思って間違いないそうだ。
「新しい秘宝の発見は、この国の重要課題の一つ。特に、秘宝が複数存在する秘宝管理施設の近くには、秘宝が集まりやすい傾向にあるのもわかっています」
つまり、この学校は元々、新しい秘宝が見つかりやすい環境にある、ということらしい。
「なので、学校内で秘宝が見つかることも珍しくなく……。ゆえに、学校内であからさまな怪現象が起きたら、すぐに僕に報告してくれるシステムになってるはずなんですよ。それが、もう一週間以上過ぎるのに報告が降りてこなかった、と。ということは……」
「ということは?」
「それを異常、と感じられないような現象が起きていて、先生達が惑わされていたか。もしくは、担当者がわざと報告を出してこなかったか、のどちらかになります。どちらにせよ、担当の方は既に秘宝の影響下にある可能性がありますね」
「ふへえ……」
報告が来なかった、というだけでそれだけのことがわかるのか。ひかりは感心してしまう。
正直ひかりとしては現状、謎の文様が浮かび上がる鏡って呪われてそうでマジ怖い!という印象でしかないわけだが。
最初のコメントを投稿しよう!