twin ray〜運命のふたり〜

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出逢った瞬間、強く予感した。 自分が探していたのは、この人なんだとー。 「ツインレイ?何それ」 親友の佐橋雄大が口にしたその単語は、 それまで全く聞き覚えがなかった。 「岸野はスピリチュアルとか信じない? その様子じゃ信じてないか」 紙パックのジュースを一口飲んだ 佐橋に微笑まれたが、 僕はどう反応していいのか判らず、 曖昧に頷いた。 「ツインレイっていうのは魂の片割れ。 転生する時に1つの魂が2つに分かれる ことなんだって。だから誰にでも必ず 1人いるけど、同じ時代に互いが生まれ 変われるとは限らない。でも出逢ったら この人だってすぐにわかるらしいよ?」 「何だかよく理解できないけど、佐橋に 今刺さっている話題だということだけは わかった」 佐橋とは同じ中学で机を並べてからの仲。 基本的に話は合うし、時々自分の価値観 からは程遠い話題を提供してくる佐橋は、 とても魅力的だ。 佐橋はキラキラした瞳でツインレイに ついて熱く語り、僕が書店のバイトに 向かう時間ギリギリまで喋り倒してくれた。 「たぶん、岸野のバイト先にもツインレイの 本があると思うよ」 「そうか、見てみる」 軽く相槌を打つと、僕は席を立った。
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