二人でイタリアンを

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「はぁ、はぁ、はぁっ!!」 体温調整する犬の様に、荒い息を吐き出しながら、開いたドアの前に立って居たのは他でもない待っていた一条さんだった! 何時も整ってるヘアスタイルも今日は乱れていて、可哀想な程見る影も無かった。 「すまない、ハァハァ、永島さん、遅れてしまって……」 「一条さん……」 私も思わず椅子から立ち上がっていた。 「取り敢えず、椅子に座って、呼吸を整えてくださいね」 私は自分の前に有る椅子に座るよう勧めた。 「初めての食事会なのに、本当に申し訳ない。折角、永島さんが誘ってくれたのに……」 「今…お店の人にお冷やを持って来て貰いますね。飲んだらきっと少しは落ち着くと思いますから……」 私は、お店の人を呼んで、飲む物を頼んだ。 彼は貰ったお冷やを勢い良く飲み干すと勢い余って「ゲホッゲホッ」とむせこんでいた。 「大丈夫ですか?一条さん? 一体何が有ったんですか? ゆっくりでいいんで話を聴かせて……」
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