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幕間 リーメさん
「あのう……、もしもし、リーメさん?」
◇◇◇◇◇
早い時間。まだ空が白み始めた頃の時間に俺は目が覚めてしまった。この辺りは夏場でも少し底冷えすることがある。日本のような茹だるような暑さがないのは助かるが、階層の少し高いこの部屋では人肌の温かさが嬉しいくらいだ。
アリアと寝るときはもちろん裸ではなく、薄い布地のワンピースのような寝間着を着ている。裸だと寝ぼけて襲いかねないからね。
赤い髪の少女は腕枕で眠っている。腕枕はうまくしないと腕が痺れるなんて思いもしなかった。寝ぼけ眼で彼女の頭に顔を寄せ、やわらかな匂いを嗅ぐ。
ん? 何か違和感を感じた。そして逆側の腕にも重さが。
いつの間にか俺は、二人の少女に腕枕をしていた。両側はさすがにめっちゃ腕痛いんですけど。俺はリーメに声をかけた。なんで居るんですかね。
「んにゃ、温かいからときどき夜中に来てた」
いや、何度も来てたのかよ。気づかなかったわ。
「日が昇る前に帰ってた」
猫かよ。
アリアに怒られないうちに戻れよと言う。
「アリアは知ってる」
えっ。恐る恐る反対側を向くと、アリアが口をとがらせて凝視していた。ひぇ。
「なんであたしが先じゃないのよ」
いや、別に目覚めのキスをしてたわけじゃないから。
仕方がないのでいっぱいキスしておいた。
「朝から何やってんのか……」
部屋に戻っていくリーメ。いや、お前だよ!
ある朝の日常? だった。
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