プロローグ

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プロローグ

 「こども真ん中」なるイベントを、血税を使ってやる令和。サッカーの優先しかり、「元々、ある程度の幸せを享受している層の子供」だけをこども家庭庁は大事にしたいようだ。無理もない、食うに困っている様な世帯からは、血税も大して巻き上げられないのだから。消費税は、老若男女に平等だ。だが、収入で変わる税は幾つもある。そう、その税をしっかり巻き上げられる子育て世代のご機嫌を取る。「食うに困った事の無い人達」の考えた、薄っぺらい「子供の為」である。  子育て世代が、あのイベントを楽しんでいるかは分からない。ただ、情報から何からを主催者に与え、晒し者になるリスクを承知で写真を応募するのだ。不特定多数の相手に、個々人の見た目と家族構成を曝け出す。そんなイベントに、参加したい家族は居るのだろうか?  これが、子供の描いた家族の絵や、子供が書いた家族の作文であれば、晒される個人情報も変わってくるだろう。だが、子供を真ん中に据えた写真。子供を真ん中に据える以上は、最低でも三人は写真に写る。それを、不特定多数の相手が見る場所に曝け出す危険。勝手にコラージュされて、何かの事件が起きた時に悪意を持って使われるリスクもある。そんなイベントに、参加したい家族はどれだけ居るのだろうか?  何より、「子供を真ん中に据えられる、ある程度は家族仲の良い人達」がもてはやされる危険性。「幸せ家族のステレオタイプ」を、政府主導で広めようとしてはいないだろうか? 分からないが、分からないからこそ毒親育ちは「幸せ」を考えることにした。
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