転生したと思ったら薬で未来が読める身体になりました。

「う、うぅん？」

？「お目覚めになられましたか？」

「ｄ、誰？それにここは・・・アレ？」

？「何を寝ぼけたことをおっしゃっているのです、坊ちゃま。
ささ、お薬を飲む時間ですよ？」

アレ？俺死んだはずじゃ・・・
って思いなおすこと自体おかしなことなのは百も承知だが、死の瞬間を目の当たりにした後の記憶がこれじゃ仕方ないよ。
目の前に猛スピードのトラックが突っ走ってきて俺のことを轢いたんだ。
その後の記憶が、コレ。

これがうわさに聞く異世界転生っていう奴か？
だって俺ん家裕福な家庭でもないし、親戚にそういう人がいるはずもない。
だから、あの事故で俺は死なずに命をつなぎとめることが出来たとしてもこの光景はおかしい。
俺が坊ちゃまと言われたことなんて一度も無いし、そもそも俺は薬を飲む生活を送ったことは無い。
第一、何気なく俺の手足や体。見える範囲を一通り見てみたけどどう見ても子供のソレ。
俺の記憶は大学帰りの大雨夜道の交通事故、つまりはそういうことだと認めざるを得なかった。
トドメは・・・

？「ささ、坊ちゃま口をあーんと開けて・・・」

近くの鏡に映った俺の顔。
この人、誰？