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電話をブチ切りしたことを思い出し、一人の部屋で恐る恐るメッセージ画面を開く。
“電話はお互いの様子や都合が分からない部分があるから突然切ってくれてもかまわない。寝るまでに電話が欲しい”
それを読んで、自らの行動を悔やみながらすぐに通話をタップした。
“茉優さん?今、いいの?”
相変わらず穏やかな透き通る声が私の心に染み渡るようだ。
「ごめんなさい…さっき…ブチッと切ってしまって」
“何かが起こってそうなった…悪いようには受け取っていないよ。でも出来れば、その理由はどんな理由であっても伝えて欲しいと思う。理解したい。俺は茉優さんのことが好きなのに、嫌われることを言ってしまったんじゃないかと心臓がおかしな音を立てるからね…恋とか…恋愛とかってこんな感じなんだな…と噛みしめ中で悪くないけれど”
また体の隅々まで痺れそうな音がする。
「小城さんの好意とか優しい言葉…気分が上がるのも当然だろうけれど怖い部分もあって…それだけを受け取っていればいいのに…シャットダウンしてしまったんです…」
“それが俺と同じように恋の始まりの戸惑いだったら小躍りする場面だけれど、きっと違うニュアンスだろうね”
すみません…その通りだよ、小城さん。
“横たわる問題からの戸惑いと俺のバックグランドへの戸惑い…それは茉優さん、俺がバックボーンを感じてもらえる努力をするから俺に時間が欲しい。気分が上がって、それだけを受け取ってもらえるように必ずするから”
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