血を与えし者の運命

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 少し力を入れたら折れてしまいそうなほど細いエーデルの体を、優しく、ギュッと抱きしめた。 「な、なにがおきたんです?」 「お前の血で、回復したようだ」 「え?」 「ああ、お前の傷も治っているな」  ヴィレンスの親指が、エーデルの口角を撫でる。 「わあ、すごい! 痛くないです!」 「なんと、不思議なこともあるのだな」 「ほら、だから言ったでしょう! 早く私をお喰べくださいと」  エーデルは嬉しそうに笑いながら、ヴィレンスの前に真っ白な腕を差し出した。 「ああ、本当だな。でも、お前のことを喰わずとも治癒力が高いようだな」 「ならば、お喰べになってくださればヴィレンス様はもっと強くなるかもしれません!」 「そんな強さは必要ない」 「なぜです? 遠慮なさらず!」 「そんなに私に喰われたいか?」 「当たり前です! 御恩をお返ししたいのですから」  また小さく頬を膨らますエーデルを見て、ヴィレンスは微笑む。 「ならば、喰ってやろう」  そう言うと、ヴィレンスはエーデルの顎をもつと、再び口付けをした。  それも、さっきとは違う。さらに深く、さらに甘く、刺激的な。
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