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 赤いレンガ造りの塔の中にランプで灯され、科学ではなく神の力で保たれた部屋がある。卵は静かに脈打っていた。  この部屋には3つの卵がある。全長30センチ程で虹色に輝いている。ここは天使や神、女神の住む世界。  この卵達にはこれから産まれてくる3人の天使達がそれぞれ息づいている。  温かく温度設定も最適。ぬくぬくと心地よい環境でその時が来るのを待っていた。卵は厳重に管理されていて、その部屋には限られた者しか入れないようになっている。  卵は柔らかいクッションのような布地に包まれ、1つ1つクリスタルの台座に置かれていた。 「卵の様子はどうだ?」  大天使ミカエルが現れ、部屋の扉の前にいる見張りの天使に尋ねる。 「はい! 変わりありません!」 背筋をピンと伸ばし彼は答える。 「そうか。ご苦労だな」 「はい!」  天界の城の1つの部屋で講義が行われていた。 「今日の講義はこれで終了です。明日の試験、頑張って下さい!」  女性の教員天使が3人の候補生を見渡す。 「ありがとうございました!」    3人の候補生は天使になる為の講義を受けていた。天使として地上の人間を助ける為に講義を受け、試験に合格した者だけが天使として働ける。 「リラ、今日の講義難しかったな」  金色の短髪にオレンジの瞳の彼がテキストをバッグにしまいながら話す。
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