飾り、だもん、

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飾り、だもん、

「お嬢様、そろそろ真剣に取り組んで下さい」 私、篠坂める(しのさかめる)は、 執事に、〝お嬢様〟と呼ばれて。 服装は、キラキラで、 お部屋も、キラキラしている。 望んでもいないのに、 与えられた〝お嬢様〟って肩書きも。 服装も、お部屋も、 ぜんぶ、〝飾り〟でしかない。 だって、ぜんぶいらないものだから............ 不必要なものなんて、 〝楽しく〟もなんともない。 だから、勉強だって........................っ。 「やりたく、ない..................っ、」 〝楽しくない〟ことをやる、 せめてもの反抗心でそう告げると。 「はぁ............、どうして、 お嬢様はいつも、そう反抗的なんですか、」 少し、呆れたような執事の声。
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